ザハハディド作品まとめ！新国立競技場より話題の建築物とは！？

総工費２５２０億とも、それ以上とも言われているラグビーW杯や東京オリンピックのために再建される新国立競技場。現在、建設費が莫大だと世論では反対の声が上がっています。
そもそもそんな金額がかかるような設計をしたのは誰なんでしょう？

今回は新国立競技場を設計した「ザハハディド」氏と同氏の作品、そして世界で新国立競技場以上に話題になっている ”ある建築” についてもご紹介したいと思います。

新国立競技場の設計者

名前：ザハ・ハディッド（Zaha Hadid）

出身：イラク・バクダード　　国籍：イギリス

誕生日：1950年10月31日（64歳）

職業：建築家

影響：ロシア構成主義の建築や美術

※Wikipediaより引用

２０２０年東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の設計者ザハ・ハディット氏は、1950年10月31日にイラクの首都バグダードで産まれました。彼女の父親は政治家でリベラル政党の指導者という少し変わった家庭環境で育っています。1972年にイギリスへ渡り、ロンドンの大学で建築を専攻。1977年に卒業し、大学の教師であったオランダ人建築家レム・コールハースの設計会社に入社し建築の実務経験を積んだみたいです。そして、８年後の1980年に独立し、今のザハ・ハディッド・アーキテクツ建築事務所に至ります。

彼女が初めて世間に名を知られるようになったのが、１９８３年に香港で行われたピーク・レジャー・クラブの建築設計コンペでの１位獲得でした。ピーク・レジャー・クラブとは、香港のビクトリア・ピーク山上に建設が予定されていた高級クラブのこと。

これがその設計案図ですが、一般人にはよくわかりませんね・・w
ザハ氏が１位を勝ち取った設計ですが、事業者が倒産したことにより実際に建築されることはありませんでした。

そんな奇抜で斬新なデザインで有名な彼女ですが、彼女は自身の建築の原点は「イラク南部に残っているシュメール文明の遺跡」と述べています。小さい時に父に連れられ、シュメールの都市を見に行った際のシュメールの風景の美しさに衝撃を受け、今尚忘れることの出来ない体験と語っています。
自然と人々の生活が調和しているシュメールの風景を、現代の技術やデザインを用い、都市においてもシュメール同様の風景を生み出したいとの想いが根底にあるんだと思いますね。

アンビルドの女王？

ザハ氏の設計は独特で再現性が非常に難しいものが多く、独立から10数年間はその設計案は話題となっても、ひとつとして建築物として実現するものがありませんでした。現在は建築に至る設計も多いものの、新国立競技場のように一旦はザハ氏の案に決定しても、やっぱり難しい・・ということが多く、世界では「アンビルドの女王」（アンビルド＝unbuild＝実際に建つことのない）という異名でも知られています。

そんなザハ氏の案が最初に実現したのはここ日本だと言われています。１９９０年に内装を手がけた「モンスーンレストラン」です。

ザハ・ハディッド氏の作品

その後２１世紀に入ると、彼女の設計案は徐々に実現していき、「アンビルドの女王」の異名とともに「建築界の女王」とも呼ばれる様にもなりました。２００４年には女性で初めて建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を受賞しています。

そんな、彼女の代表作品をみてみましょう！

アクアティクス・センター

概要：２０１２年ロンドンオリンピック・パラリンピックでの水泳会場。

リバーサイド・ミュージアム

概要：イギリスの自動車、造船、鉄道など輸送分野エンジニアリングの進化の歴史をまとめた博物館。

シャネル・モバイルアート展

概要：シャネルの展覧会のための移動式パビリオン。２５６パーツに分けて輸送が可能なこのパビリオンはシャネルの展覧会のために世界中を回った。ちなみにこの写真は東京・国立代々木競技場に設置された時にもの。現在はアラブ世界研究所に寄贈され、同研究所の正面に設置されている。

BMWライプツィヒ工場

概要：ドイツ・ライプツィヒに建てられたBMWの新鋭工場。

ジョッキークラブ・イノヴェーション・タワー

概要：香港工科大学のデザイン系学部のための施設。

ザハ氏の設計は曲線が多いですね。実際に建築される現場の方はさぞや大変でしょう（泣）だからこそ、独創的で魅力的な作品となるのでしょうが。この他にも美術館、科学センター、オペラハウス、駅、はたまたジャンプ台にまで、世界中様々なとことに「ザハイズム」（筆者命名）は建築されています。

また工期ですが、例えばロンドンオリンピック会場のアクアティクス・センターは６年、リバーサイドミュージアムは７年完成までにかかっています。やはりデザインが独創的が故に工期も必然的に長くなってしまうんですね。

新国立競技場より話題になっている建造物

ザハ氏の設計案が採用されたスタジアムで、新国立競技場以外にも現在問題となっている場所があります。それが2022年のFIFAワールドカップで使用されるカタールの新スタジアム「アル・ワクラ・スタジアム」。

ザハ氏曰く、「カタールの伝統的な漁船”ダウ船”をイメージしている。」とのことですが、何が問題なのでしょう？
実はザハ氏がこのデザイン発後、インターネット上で囁かれ始めた噂が問題なんです。その噂とはこのスタジアムが

女性器に似ている

ということ。しかも噂は噂だけにとどまらず現在では雑誌や新聞、TVまでもがこぞってそのネタを取り上げる始末。屋根の曲線美は新国立競技場にも似ていますが、新国立競技場はそんな噂はありません。アル・ワクラ・スタジアムは外観がライトアップされ薄桃色に色づくこともこの想像をかきたたせられる原因になっているらしいです。いずれにしてもザハ氏の設計案は話題性に事欠かないですね！ちなみにこのアル・ワクラ・スタジアムは、見た目の奇抜さだけでなく、現地の強烈な日差しにも耐えられるような工夫もされているらしいですよ。

まとめ

ザハ氏のデザインはとても奇抜で独創的なので、素人から見てもとても魅力的に映ります。ザハ氏のデザインの建造物ができることを考えただけでワクワクしてしまいます。しかし、そこには”コスト”という壁があるのも事実。ここを無視して作ることは不可能です。今回の新国立競技場にしても、デザインは誰が見ても大半の人たちが”良い”というでしょう。しかし、コストを見た途端に、明らかに実現不可能な額であるということがわかります。やはりデザインにばかり目を奪われず、コスパもしっかりと考えた上で建設してほしいものです。